オアシス

私はオアシスを見る

わずか一歩前にオアシスを見る

手を延ばせば その水を酌めそうだ

 

しかし オアシスは私を映す

鬼のごとく醜い私を映す

 

私はまだ酌んではいけないのだろうか

幸せの泉の水を酌んではいけないのだろうか

 

すべて砂漠の世の中に

やっと見つけた泉の水を

私は酌んではいけないのだ

 

私がこの手を泉に差し入れた瞬間に

それは私の血に濁ってしまうだろう

 

私が水を酌まぬのが

泉のため

泉に咲く花のため

泉に集う鳥のため

 

泉に手を差し入れむよりは

喜んで命を終えましょう

泉を訪ねる旅人の

そして泉の幸せのため

 

それでも抗ひ難き欲望が

私の心を蝕んでゆくのです




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