華夜(かや)

趣というものを

つゆも知らざるか

警備員

「もう閉めますから」

と言って

カーテンを

慣れた手つきで下ろす

ただひたすら恨めしい

「自分で閉めておきますから」

などと言うのも聞きやしない

 

スカイラウンジの特等席

どうして私だけの特等席なのでしょう

 

警備員が行ってしまったのを見計らって

こっそりと

再びカーテンを開ける

大胆に

窓を開ける

「僕の方が正しいんだ」

と呟いて

「どうして趣がわからないのか」

と罵倒して

 

開かない

固く鍵で閉ざされて

ワイヤー入りの窓ガラス

鉄格子の間から

空に咲く華を眺めゐる




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